主要な健康保険のカバーは何をしない
【シカク・サンカク・マネー術】社会保険が実はマルチな最強保険ということを知ろう: 学資保険はいってます?
今を楽しみ、将来に備えるために「シカク」(保険の機能)と「サンカク」(積み立て貯蓄)を上手に組み合わせる方法を探して、社会保険労務士でもあるファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんと、具体的な金融商品の活かし方について考えていきます。
まずは、保険の機能については、井戸さんからは「保険は万が一に備えるため、貯蓄はお金を貯めるため、両者を一緒に考えると混乱してしまい、ひいては非効率につながりかねない。例えば、死亡保険金の設定は、ライフステージに合わせて柔軟に見直したほうが合理的で、貯蓄と切り離して考え、保険料を削って浮いたお金を積み立て貯蓄する方法が良いのではないか」という指摘がありました。今回は、さらに踏み込んで、「上手な保険の加入の仕方」について話� �聞きました。インタビューの要旨は、以下のとおり。
※タイトルアイコンの「□×△(シカク・サンカク)」は、「まもるお金(□)」と「ふやすお金(△)」を上手に組み合わせ、無理なく現在の生活を楽しみながら、同時に将来にも安心な貯蓄を作るためのマネー活用術を表しています。
――「シカク」(まもるお金=保険の機能)を考える場合、いざというときに備えて必要なお金の金額を把握しないと、上手に利用できないと思われますが、例えば、子どもがいる場合、成人までにかかる費用はどれぐらいになるのでしょうか?
「シカク」(保険)は万が一に備えるということです。その万が一を具体的に起こることを想定し、そのときにいくらのお金があれば良いのかということまで考えておく必要があります。例えば、子どもを持った場合、子ども一人あたりを成人させるのにかかる費用はいくらになるかを把握しておくと、世帯の大黒柱が倒れ収入が途切れた場合に、いくら必要になるか、少なくとも教育に必要な費用の計算は可能となります。
まず、子どもの進学に関するお金は、子どもの進路に応じていろいろと考えられます。文部科学省「子どもの学習費調査、平成20年度」によると、幼稚園(3年間)から高校卒業まですべて公立の場合で約550万円、すべて私立の場合で約1660万円となっています� �
さらに、大学も国公立か私立か、自宅通学か自宅外通学か、文系理系などによってかかる費用に大きな差があります。また、私立大学に自宅外から通学する新入生の仕送り額の1か月の平均は91600円(東京私大教連「私立大学新入生の家計負担調査」2010年度)という調査結果もあります。これらのデータをみても、理想的には、1人1500万円くらいは必要になると考えておきたいものです。しかし、実際には奨学金を利用するとか、特待生になるとか、本人がアルバイトをするなど、種々の対応をしながら解決していくことになります。保険金の計算根拠としての1500万円と考え、これだけなければ子どもを大学までやれないということではありません。
進学時期に合わせて、入学時に必要な資金を積み立てていくことが必要になります。私立の大学に進学した場合の初年度費用は、自宅外通学者では住居費と仕送りを含めると平均299万円になっています。入学費用を5人に1人が「借入れ」で調達していますが、できれば事前に資金を準備しておきたいところです。この進学費用については、世帯主に万が一のことを考えて、学資保険や子ども保険などで手当することも、ひとつの方法です。この場合でも投資信託を使った積み立てを取り入れる方法もあります。積み立てについては、後で、考えてみましょう。
――子ども1人に1500万円は大きな金額ですね。さらに、住宅の問題もあります。持ち家を持つかどうかは別にしても、住居費と� �ても5000万円(月10万円×12ヶ月×40年=4800万円)以上の費用がかかりそうです。このように子育ては、それほどの責任を背負っているということにもなるので、万が一を考えると保険に加入した方が良いということになるのですが、そもそも保険の加入に関して基準のようなものはあるのですか?
私たちは、一人ひとり違った人生を歩んでいます。どんな人生であろうと、リスクや課題は共通しています。たとえば、病気にかかったため失業して収入がとだえ、生活に困ること、考えたくはないですが、誰にでも起こりうることでしょう。私は、保険について相談を受けたときに、まずは、「今、起こったら困ること」「なにでカバーできるのか」を書き出してみることを勧めています。
保障を考えるときは、目的を明確にして、いくらくらい何でどう備えるのかを考えます。3段階の保障をおさえましょう。
(1)保障の基礎部分は公的な社会保険があります。死亡保障は遺族年金、医療保障は健康保険などあります。
(2)次に考えたいのが地域や勤務先の組織の保障です。子どもがけがをした場合、学校で傷害保険に入っていてある程度は、カバーできる。東京23区で暮らしているのであれば、中学3年(15歳)までは医療費の自己負担がないなどという自治体の制度もあります。会社が健康保険組合に加入しているなら、高額療養費や傷病手当金など社会保険より保障を厚くしているところもあります。個々に確認しておきたいものです。
(3)最後が「自分で� ��える保障」です。ここには、預貯金も含まれ、足りない部分を保険で補うようにします。保険に必要保障額入っていないと「安心」ではありません。
――社会保険とは、主に年金と健康保険のことですね。年金は老後の資金なので日常の生活の安心とは少し違いますね。健康保険は医療費の自己負担が3割で済むということなのではないのですか?
社会保険は職業によって加入する制度も違うのですが、さまざまな場面で私たちの生活を保障しています。保障を考えるときの土台になるところです。キチンと理解しておくことが大切です。
会社員である夫が亡くなった場合、妻に、「遺族厚生年金」と、「遺族基礎年金(18歳未満の子どもがいる場合)」が子ども二人だと約124万、子ども一人では約102万円受け取ることができます。健康保険から埋葬料(上限5万円)も出ます。さらに、仕事中や通勤中に亡くなった場合には、労災保険から遺族補償給付(遺族年金と遺族一時金)や葬祭料があります。
一方、自営業者の社会保険年金は国民年金のみです。子どもがいれば「遺族基礎年金」が保障されていますが、子どもがいない場合は、死亡一時金、寡婦年金などの仕組みはありますが、具体的な保障額は会社員の場合と比べると、やはり少なくなります。個人で死亡保険をかけておかないとリスクが高いといえます。( つづく)(編集担当:徳永浩)
(この記事は経済総合(サーチナ)から引用させて頂きました)
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