2012年3月25日日曜日

ルセンティス:眼内投与で黄斑変性症の視力が回復する例も:日経メディカル オンライン


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連載:最新DIピックアップ

2009. 4. 9

北村 正樹=慈恵医大病院薬剤部

連載の紹介

最近の新薬や添付文書改訂の中から、週に1回、必ず押さえておきたい注目情報をピックアップしてお届けします。(協力:慈恵医大病院薬剤部)


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 加齢黄斑変性症治療薬のラニビズマブ(商品名:ルセンティス硝子体内注射用2.3mg/0.23mL)が、3月13日に薬価収載され、同日発売された(製造承認の取得は1月21日)。適応は「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症」である。最初の3カ月間は1カ月に1回、以降は投与間隔を適宜調節しながら、1回0.5mg(0.05mL)を硝子体内に注入する。


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 加齢黄斑変性症は、網膜の中心部にある黄斑が加齢などの原因で変性し、その結果、物がゆがんで見えたり、視野の中心が欠けて見えるなどの症状を来す疾患である。加齢黄斑変性症は、滲出型と萎縮型の2つのタイプに分類されるが、特に脈絡膜新生血管を伴う滲出型は進行が早く、適切な治療が遅れると視力が急速に低下し、失明する危険性が高い。黄斑の裏側に出現した破れやすい脈絡膜新生血管から血液や滲出液が眼底に漏れ出すことで、視力低下や失明が起こる。

 日本では、加齢黄斑変性症が65歳以上における失明や視力低下の主要な原因となっている。中でも滲出型は、7500人(1987年)から1万4400人(1993年)へと増加しており、2008年時点の 患者数は5万2000人と推定されている。


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 従来、加齢黄斑変性症の治療では、外科的治療やレーザー治療などが行われていたが、近年、本症を適応とする新しい2つの薬剤が登場した。レーザー光と組み合わせた光線力学的療法(PDT)に使用するベルテポルフィン(商品名:ビスダイン、2004年5月発売)と、脈絡膜血管新生の形成に深く関与する血管内皮増殖因子(VEGF)への阻害作用があるペガプタニブナトリウム(商品名:マクジェン、2008年10月発売)である。

 これらに続いて今回発売されたラニビズマブは、VEGFに対するヒト化モノクローナル抗体のFab断片である。網膜などにおいてVEGFと複合体を形成することでVEGFの作用を抑制し、結果的に脈絡膜新生血管の発生や伸長を抑制する。


 ラニズマブは、加齢黄斑変性症患者を対象とした第3相臨床試験で、視力の維持だけでなく、視力の回復が確認された初めての薬剤である。海外では、2006年に米国とスイスで承認されて以降、08年12月現在、世界81の国や地域で承認されている。日本では、2006年3月に希少疾病用医薬品に指定されていた。

 今回のラニビズマブの登場で、治療薬の選択肢がさらに広がり、加齢黄斑変性症治療は大きく進歩すると予想される。ただし本薬は、ペガプタニブと同様、国内での治験例が限られていることから、一定数のデータが集積されるまでは全例での使用成績調査が課せられている。


 副作用は、国内の臨床試験結果では23.9%に認められている。重大な副作用としては、硝子体剥離などの眼障害と脳卒中がある。また主な副作用としては、眼圧上昇、視力低下、眼痛、網膜出血、一過性視力障害などが報告されているので、使用に当たっては十分な注意が必要である。



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