2012年5月3日木曜日

副腎疾患の新たな治療薬「フェレトニン(Ferretonin)」 | あれこれ


フェレットの副腎疾患の治療にメラトニンを使う方法を選ぶ方が増えてきています。そして、"新たに"ではないかもしれないのですが、フェレット用のメラトニン治療薬として「フェレトニン(Ferretonin)」がアメリカ等で広まってきました。じきに日本でも使われるようになると思いますので、簡単に紹介したいと思います(すでに輸入して使用している動物病院もあるようです)。

■なぜメラトニン?■
フェレットの副腎疾患(腫瘍)の原因については、いまだにいろいろな説が話されているものの「これが原因!」ときっぱりとは解明できていないのが現状です。ただし、性ホルモンが影響していると考えている方は多く、性ホルモンをコントロールすることを目的に使用されるようになったのがメラトニンです。

メラトニンは、松果体と呼ばれる脳の一部で作られているホルモンです。もともと私たちが作っているホルモンですので、お薬ではなく、足りない分を補うために飲むサプリメントとして海外では市販されています(日本ではサプリメントとしても製造はされていないそうです)。「メラトニン」という名前を聞いたことのある方や、睡眠改善に飲まれている方もいらっしゃるかもしれません。

メ� ��トニンは、フェレットの性ホルモンの抑制に効果があります(ただし、すべてのフェレットに効果があるというわけではないです。多くのフェレットには効果が出ていますが、あなたのフェレットに確実に効果があるとは言い切れません)。


EMEAアトピー性皮膚炎

フェレットの性ホルモンは、発情期である春〜夏には増え、秋〜冬には減ります。性ホルモンが減少する際にはメラトニンが増えていることが確認されており、メラトニンを増やすことで冬仕様のふかふかした毛並みや体重の増加などがみられることも確認されています。

副腎疾患の症状の一つである脱毛に、メラトニンは効果的です。メラトニンを与えることで、多くのフェレットは再び毛を取り戻します。また、メラトニンは脾臓の腫れを小さくする効果や、副腎疾患と関係することの多い前立腺肥大にも効果が見られるそうです。

メラトニンの効果は対人間においても注目を集めているそうです。前立腺癌の進行を遅らせる働きなどが調べられているそうで すので、数年後には人間にとっても大切なサプリメントとして広まる可能性もあるのかもしれません。

メラトニンは、夜作られるホルモンです。野生動物であるならば、お日様が沈めば夜になるため、昼間の時間が長い夏よりも夜の時間が長い冬の方がメラトニンが多く作られます。ですがペットは、夜になっても飼い主が明かりを使うので暗い夜にならず、一年を通して作られるメラトニンの量に大きな変化はないと想定されますし、多く作られることもないのだと思います。


自然な痛みの軽減の救済

「足りないから補う」という治療法は多くの飼い主に受け入れやすいものだと思います。メラトニンには、フェレットの性ホルモンを抑制し、副腎疾患の進行を抑える効果がみられます。もちろん、先に書きましたようにすべてのフェレットに対して効果があるとは言い切れませんが、多くのフェレットに効果は見られていますので、治療法の一つとして選択肢に入れていいのではないかと思います。

■メラトニンによる治療法■
フェレットへのメラトニンによる治療は、お薬のように飲ませる与え方(経口投与)が一般的なようです。でも、これからはきっと、フェレトニンを望まれる方が増えると思います。

フェレトニンは、3〜4ヶ月かけてゆっくりと出てくるメラトニンを皮膚下に埋め込むようにして使います。マイクロチップと同じか少し大きいかという大きさですので、埋め込むときは痛いと思います。ですが、毎日薬を飲むよりはフェレットへの負担は少ないと思いますし、費用の面で飼い主の負担も軽減させてくれるでしょう。

「フェレトニン」という商品名が普及するには少し時間が必要かもしれませんが、「メラトニンのインプラント」と言えばわかる動物病院はあるように思います。フェレトニンができる前は� �ミンクなどに使用しているメラトニンのインプラントをフェレットにも使用していたそうですので、商品名はわからなくとも「メラトニンのインプラント」でわかる場合があるようです。


hydrolozineと低血圧

我が家でメラトニン治療を行ったフェレットでは、埋め込むときは痛かったようですが、その日の夜にはもうすっかり忘れていたようで、飼い主の私ばかりが注意をしていました(ほかのフェレットが埋め込んだ場所に噛み付かないように注意してました)。このフェレットにはメラトニンが効果的に働き、埋め込んで1ヶ月ちょっとで毛がふさふさになり、2ヵ月後には脾臓の腫れがひいたことが確認されました。

飲み薬でもフェレトニンでも、動物病院によっては扱っていないことがありますので、まずはかかりつけの動物病院に相談してみてください。国内でもフェレトニンやメラトニンのインプラントを使用する動物病院は増えてきているようですし、あなたが相談す ることでかかりつけの動物病院に新しい治療法を気づかせてあげることができるかもしれません。

■治療から予防へ!?■
フェレトニンの使用法の一つとして、私にはものすごく気になっていることがあります。それは、副腎疾患の予防薬としてフェレトニンを使用することです。

アメリカでは「3歳を過ぎたら半年に一度接種し、予防薬として使う」などといった使用法を勧めている方もいます。今までできてから戦う相手だった副腎腫瘍を、できる前に防御することができるのであれば、是非そうしたいと思う飼い主さんは私以外にもいるのではないでしょうか?


病気は、早期発見・早期治療が大事ですが、病気にならないように予防することも大事です。ハーブやサプリメントを与えて予防に努めている方もいると思います。もしかしたら、すでにメラトニンを与えている方もいるのかもしれません。でも、多くの飼い主さんは、副腎疾患は予防できない病気としてとらえていることと思います。それが、予防できるようになるのかもしれないのです。

副腎疾患は、フェレットが避けられない病気として考えられています。事実、多くのフェレットが副腎疾患にかかり、腫瘍を切除する手術を受けたり、投薬による治療を受けたりしています。副腎疾患は、いまだにすべての原因を明確にすることができていない、多くの飼い主さんが� ��れ、悩まされている病気だと思います。

まだ日本でのフェレトニン使用症例が少ないために予防薬として使うことには不安を感じもするのですが、でも、予防できるものは予防したいと思うのものでしょう。予防薬としての使用についても、かかりつけの動物病院で相談してみるといいのではないかと思います。



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